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通信電力(平成22年第1回)問題3-2(ⅰ,ⅱ)

(2) 次の文章は、シール鉛蓄電池の概要、特性、保守方法などについて述べたものである。
【  】内の(オ)~(キ)に適したものを、下記のそれぞれの解答群から選び、その番号を記せ。

(ⅰ) シール鉛蓄電池の概要について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【(オ) ② 】である。

<(オ)の解答群>
① 正極板は、鉛を格子状に形成し、その表面に二酸化鉛の活物質を充填したものでてんあり、活物質は、電解液と反応して電気エネルギーを放出・蓄積する。

② サルフェーションとは、適正値よりも低い電圧でフロート充電することによって充電不足となり、正極の活物質が不還元性の硫酸鉛結晶になって、シール鉛蓄電池の容量が低下する現象である。

③ フロート充電で発生するシール鉛蓄電池の容量低下は、経年により、集電体である正極格子が腐食し、導電部分が減少するために起こる。

④ 定格容量が10時間率で1,000〔Ah〕のシール鉛蓄電池は、100〔A〕の電流で10〔h〕の連続放電が期待できる。

<解説>
②のサルフェーション現象は放電による影響で問題にあるような不還元性の物質が生じます。主に充電せずに長期間放置するなど適正な充電が行われず過放電状態となるとサルフェーション現象が発生します。

④の定格容量と連続放電時間は、定格時間率で容量を除算したものが定格放電電流となります。問題では1000Ah÷10h=100Aです。定格放電電流で放電した場合は時間率となります。10時間率の電池をより短い時間で放電させる場合には、電池の内部抵抗で端子電圧の電圧降下が大きくなるため利用できる総電流は少なくなります。
(例えば、1時間率で使用すると600Aしか流せないなど。あくまで例ですので実際の利用ではメーカーのデータで確認をしてください。)

 

(ⅱ) シール鉛蓄電池の特性などについて述べた次のA~Cの文章は、【(カ) ③ Cのみ正しい 】。

A シール鉛蓄電池の放電電流が小さい場合は、活物質の一部のみが反応する、電解液の拡散が追従できないなどの理由により、取り出せるエネルギー量が少なくなる。

B シール鉛蓄電池の定格容量は、一般に、電解液の温度35〔℃〕における放電電流と放電可能時間の積で表される。

C シール鉛蓄電池の容量は、一般に、電解液の温度が上昇すると増大するが、極板の腐食を早め、寿命は短くなる。

<(カ)の解答群>
① Aのみ正しい   ② Bのみ正しい   ③ Cのみ正しい
④ A、Bが正しい  ⑤ A、Cが正しい  ⑥ B、Cが正しい
⑦ A、B、Cいずれも正しい  ⑧ A、B、Cいずれも正しくない

<解説>
Aは放電電流が小さい場合は、大電流を取り出す場合に比べて、取り出せるエネルギー量(総量)は多くなります。

Bの定格容量は、規定の温度、放電電流及び終止電圧で、完全充電状態から取り出せる電気量の基準値により求められています。
規定の温度は、JISC8704-2-1により周囲温度20℃又は25℃とし電池表面温度は18℃~27℃となっています。

Cの電解液の温度は20℃を100%容量とすると、0℃では85%程度、40℃では110%程度と温度が上昇により増大します。ただし、寿命は20℃と40℃では半分程度になります。

図の引用:パナソニック株式会社 http://industrial.panasonic.com/jp/index.html

カテゴリー: 資格, 電気通信主任技術者 タグ: パーマリンク