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通信電力(平成23年第1回)問題3-2

(2) 次の文章は、シール鉛蓄電池の特徴などについて述べたものである。【  】内の(オ)、(カ)に適したものを、下記のそれぞれの解答群から選び、その番号を記せ。

(ⅰ) シール鉛蓄電池の構成、構造などについて述べた次の文章のうち、誤っているものは、【 (オ) ③  】である。

<(オ)の解答群>
① 正極にPb・Ca系合金を採用した格子体にPbO2を保持したものを、負極にPb・Ca系合金を採用した格子体にPbを保持したものを使用したものがある。

② シール鉛蓄電池が横置きで使用できるのは、多孔性のガラス繊維に電解液を含浸させたものをセパレータとして使用しており、電解液の漏出や偏在がないためである。

③ シール鉛蓄電池の容量は、一般に、25℃における放電電流Aと放電時間hの積で表され、据置型シール鉛蓄電池の場合は20時間率で、小型シール鉛蓄電池の場合は10時間率で示される。

④ シール鉛蓄電池の上蓋にある安全弁は、何らかの原因で蓄電池に異常電圧が印ぶた加されて多量のガスが発生し、蓄電池の内圧が異常に上昇して蓄電池が破壊するおそれがある場合に、ガスを蓄電池の外部へ放出して内圧を一定以下に保つためのものであり、一般に、ゴム弁が使用されている。

<解説>
①鉛―カルシウム系合金や鉛-錫-カルシウム系合金などが用いられています。

③ 据置型シール鉛蓄電池の場合は10時間率、小型シール鉛蓄電池の場合は20時間率で示されるため誤りです。

電池の構造は下図を参考にしてください。
蓄電池構造図
図の引用:パナソニック株式会社 http://industrial.panasonic.com/jp/index.html

 

(ⅱ) シール鉛蓄電池の特徴、特性などについて述べた次のA~Cの文章は、【(カ) ③ Cのみ正しい 】。

A シール鉛蓄電池を保管する場合に、蓄電池相互間の離隔距離を確保するとともに、直射日光を避け、年間を通じて室温が25℃程度に保たれた乾燥室内で、結線を外した状態にしておけば、2~3年ごとの補充電によって蓄電池の著しい劣化を防止することができる。

B シール鉛蓄電池の正常な使用状態での経年劣化の要因は、負極の格子表面の腐食による部分的な亀裂や折損が格子内部に入り込み、導電部分が減少するためである。

C 交流信号をシール鉛蓄電池に入力し、蓄電池の内部インピーダンスを測定することによって、内部インピーダンスと容量の相関関係から、蓄電池の劣化状態を診断する方法がある。

<(カ)の解答群>
① Aのみ正しい   ② Bのみ正しい   ③ Cのみ正しい
④ A、Bが正しい  ⑤ A、Cが正しい  ⑥ B、Cが正しい
⑦ A、B、Cいずれも正しい  ⑧ A、B、Cいずれも正しくない
<解説>
A シール鉛蓄電池は自己放電するため満充電状態で保管するのが理想です。
参考として、電池工業会の小形制御弁式(シール)鉛蓄電池の取扱いの指針では、小型シール鉛蓄電池の場合、25℃の環境下において、6ヶ月毎に補充電をするように定めています。
実際の保管では、電池によっては自己放電の大きいものもありますので、1ヶ月毎程度で電圧確認や補充電をした方がよいと思います。

B 劣化要因は大きく物理的なものと化学的なものに分けられます。
物理的な要因は、極板の腐食、膨張・収縮の繰り返しによる極板のはく離,脱落,格子のわん曲などがあります。

化学的要因は、充電放電の繰り返しによって、極板に硫酸鉛結晶(サルフェーション)が生成されることで、導電部分が減少します。

C 保守において、蓄電池内部の抵抗を測定することで劣化状態を診断する方法があります。内部抵抗値がある程度高くなると劣化状態と判断し、電池の交換を検討します。内部抵抗値は、各メーカーで蓄電池の種類ごとに判定基準値が異なるため、基準値を調べておく必要があります。

カテゴリー: 資格, 電気通信主任技術者 タグ: パーマリンク

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